
ハッチングのパターン名も尺度も同じなのに、単位系が違うだけで見え方が全然違ってしまう。
前回はそれが実際にどの程度違うのか、という話と、システム変数「measurement」の特徴を紹介してみました。
かなりハッチング関連の話が長くなってますね。
あまりにも細かい話はニーズもなさそうだし、読んでいて退屈になってくるので、気をつけないとダメですね。
今回お伝えしたいTipsは、ちょっとしつこいですけどハッチングの単位系で、どちらを使うのが良いかという話です。
もう少し言うと、日本で使うから必ずメートルにしなくてはダメなのか? という話を今回はしてみたいと思います。
■結局は統一されていればOK
日本でオートキャド(AutoCAD)を使って図面を描く場合には、基本的にメートル系の単位を使いますよね。
インチという単位を日常的に使うのは、テレビとピザとタイヤの大きさくらいしか思いつきません。
あ、タイヤのサイズとかは日常的じゃないですね……
まあそんな訳で、日本で作図して日本で使う図面であれば、特に何も言わずともメートル系になるのが普通かも知れません。
しかしちょっと極端な意見として、図面の見映えとしてそれぞれの図面が揃っていれば問題ないという話もあります。
図面はあくまでも完成して印刷したものが成果品だから、ハッチングパターンの単位とかはあまり意味がないんですよね。
もちろん見映えを揃えるためには、オートキャド(AutoCAD)にそうした設定があることを知っておく必要はありますけど。
それさえ掴んでおいて、同じプロジェクトの中で設定を統一することさえ出来れば、インチでもメートルでも特に問題ないはずです。
インチとかメートルというのは、結局のところオートキャド(AutoCAD)側が決めた設定なだけですから。
■ハッチングの尺度と小数点
なぜそんな話をするのかというと、メートル系のハッチングパターンの尺度がかなり中途半端だからです。
前回ハッチングパターンを比較した際に、一応寸法を入れておいたんですけど、その数値を見ればそれが分かるはず。
尺度100のハッチングで上図になる訳ですから、尺度1の場合を計算してみると、以下のような数値になります。
インチ系:尺度1=0.25mm
メートル系:尺度1=6.35mm
まあこの数値だけを見ると、どちらも小数点になっている訳ですから、メートル系が不便とかいう話にはなりませんよね。
でも、例えば100mm丁度のハッチングを作成したい場合には、インチとメートルでどうなるか。
インチ系:尺度400=100mm
メートル系:尺度15.7480314=100mm
という感じになります。
メートル系の尺度とか言いながら、きちんとした数値のハッチングを作成するのが困難という、なんとも悲しい状態に。
逆にインチ系の方がきっちり数値をあわせられるというのは、単純にヘルプの説明が逆なだけなんでしょうか。
そこまではちょっと分からないですけど、インチとかメートルとかは抜きにして、measurementの設定は0の方が便利。
これは間違いのない事実だと思います。