会社でオートキャド(AutoCAD)の操作を教える場合、私はあまり深く突っ込んだ説明をしないようにしています。
何故かというと、ほぼ大半の場合、相手はそこまで深い情報というか考え方などの情報を求めていないことが多いからです。
自分で考えて工夫をしていく人は私を踏み台にしてどんどん覚えていくし、そうでなければ逆に私が諦めてしまう、という感じです。
オートキャド(AutoCAD)のプロを目指すなら、全て自分で何とかした方が良い、と思っているというのもあります。
いくら口うるさく教えたとしても、結局自分で考えていないのであれば、教えてくれる人がいなくなった途端に自分なりに戻るだけの話ですから。
だからこそ考え方を教えるのではないか、という意見もありますけど、それも年齢によりけりではないかと思います。
確かに働き始めて間もないような若い方であれば、仕事に対する考え方はいくらでも変えていくことが出来ます。
だから良くなる可能性は高い、とか思ってしまい、色々と口うるさく言ってしまったことは結構ありました…
しかし一定の経験を積んだベテランの方であれば、もう自分のやり方や考え方が固まってしまっていることが多いです。
そこに私の考え方を色々説明しても、今までの経験上、あまり良い結果にならないことの方が多かったので、それなりの対応になるしかない訳です。
これは逆の立場で考えてみると結構怖いことですよね。
自分が何かを教わりたいと思ったとしても、年齢の問題で深く教わることが出来ない可能性が結構あるということですから。
こうした話は書いていくとキリがないので、今回あたりで終わりにしておこうと思います。
オートキャド(AutoCAD)のスキルを高めていく為に最も重要なものだと私が思っているものについて最後は書いてみます。
■向上心の素
これはオートキャド(AutoCAD)に限った話ではありませんが、何かを覚えようとするのなら、必要なのはこれ。
・常に現状には満足しないこと
これを「向上心」と呼ぶのかも知れませんが、要するに今の自分のスキルはまだ全然足りないと本気で思えるかどうか、です。
「俺もなかなか出来るようになったな…」とか思うのは良いんですけど、本気でそう思ってしまうと満足してしまい、それ以上は成長出来ません。
客観的に見て、周囲の誰よりも出来るようになったという感触があったとしても、それはあくまでも自分の周囲だけで比較した場合の話。
もっと出来る人は世の中にたくさんいますから、そこを目指して必要な情報などを常に取り入れていくことが重要です。
ここまで出来れば充分だろう。
そう思っていると、手間と時間をかけて新しいやり方を調べたり、人のやり方を研究することをしなくなります。
だって、もう充分高いスキルを持っていると自分で思っているなら、それ以上手間をかける必要はない訳ですから。
そうした状況になると自分のスキルはそれ以上伸びていかなくなります。
しかし周囲の人がスキルを伸ばしている場合、それはプロとしてちょっとまずいことになってしまいます。
自分のスキルは変わっていないにも関わらず、周囲が伸びれば相対的に見て自分のスキルは退化しているように見えてしまいます。
これはベテランの方に良くある問題で、今まで何人もの方がこのような状況になっていくのを見てきました。
そうなると最後は寂しい状況になってしまうので、どんなに経験を積んだとしても、それで満足しないように気をつけることをお勧めします。
これがなかなか難しいんですけど…