
ハッチング処理をする範囲を指定する「内側の点をクリック」は、昔に比べてかなり便利になっている。
前回はそんな普通の話をしてしまいました。
オートキャド(AutoCAD)の機能はバージョンアップによって毎年少しずつ便利になってます。
しかし、特に昔からオートキャド(AutoCAD)を使っている方は、昔の感覚で使い続ける場合が多いんです。
私もその中の一人だと感じています。
これではせっかく便利になっているオートキャド(AutoCAD)の機能が勿体ないですよね。
スキルアップというのは基本的に、今までの経験を生かして操作の精度を高めていくことだと思います。
だけど新しい機能に限って言えば、経験が邪魔をしてやり方を変えていくことが出来ない危険もあるんです。
これは全ての経験者に当てはまる話ですから、時々自分のやり方を見直す時間を用意することをお勧めします。
自分よりも経験の少ない人の意見を聞くとか、もう一度ヘルプを読んでみるとか、新機能の紹介を見てみるとか。
やり方は色々だとは思いますが、そういう「アンテナを張っておく」ことがプロとして大事です。
まあこうして書くことだけなら簡単で、実際には今まで何の問題もなく操作してきたやり方を見直すのは大変ですけど……
新しいやり方を身につける為には、一度今までのやり方を壊してみた方が良い場合もある、ということです。
と、ハッチングとは全然関係のない話をここまで続けてしまいましたが、最後に割と新し目の機能を取り上げてみます。
■ギャップという機能
前回はハッチングの範囲を指定する際に「内側の点をクリック」というやり方をお勧めしました。
内側の点をクリックしてハッチング範囲を決める為には、基本的に閉じている状態である必要があります。
下図では、完全に閉じた四角形と、100mmの隙間が一箇所ある四角形を並べています。
両方の図形に「内側の点をクリック」をやってみると、隙間がある四角形ではエラーが出てしまいます。
しかし場合によっては、多少閉じていなくても隙間くらい埋めて考えて欲しい……と思うことがあります。
そんな場合には「ギャップ」機能が有効です。
ギャップという設定には任意の数値を入力しますが、この数値にはどんな意味があるのかというと……
まあ読んだイメージそのままですが、入力した数値以下の隙間であれば、隙間なしと認識してくれるんです。
上図の例で言えば、閉じていない四角形の隙間は100mmなので、ギャップを例えば100に設定すればOK。
この設定で内側の点をクリックすると、オートキャド(AutoCAD)は以下のような質問をしてきます。
閉じていないけど、構わずにハッチングの処理をするのか? という質問なので、「作成する」方をクリックすればOK。
まあハッチングの範囲は閉じている方が自然ではありますが、そうじゃない方が楽な場合もあります。
そんな場合はギャップの設定を上手く使うことによって、面倒な操作を減らすことが出来るかも知れません。
何度も書いていますが、効率の良い操作をする為には、自分の中にある操作の選択肢を増やすことが大事なんです。
ギャップの設定は、そうした選択肢のひとつになると思うので、覚えておくことをお勧めします。