オートキャド(AutoCAD)で作図した図面のデータは、保存をしないままエラーで強制終了すると、今まで進めてきた内容が消えてなくなります。
消えてしまう時には、もう跡形もなく、というのがデータの大きな特徴です。
手描きの図面で例えると、作図をしている途中に原因不明のトラブルが発生して、今日作図した部分が白紙に戻る感じ。
……全然手描きのたとえになってませんが、まあとにかく半日頑張って作業した部分がゼロになってしまう訳です。
もちろん毎日エラーが出る程オートキャド(AutoCAD)は不安定じゃないですけど、これがまた絶妙なタイミングなんです。
例えば、作図が完了したからチェックをかける為に印刷をしたら、突然エラーで強制終了したり。
こうした事故は、時間的なロスも当然ありますが、それ以上に精神的なショックが大きいものです。
データの自動保存をお勧めるのは、そうした時間の無駄を省くことにプラスして、安心して作図できる状況を作るためでもあるんです。
その具体的な設定の前に、今回はオートキャド(AutoCAD)が落ちた時にどんな感じになるのかを考えてみたいと思います。
■精神的なダメージが大きい
例えばの話ですが、朝一からずっと集中して作図を進めていた図面が、午後2時にフェイタルエラーが発生したとします。
特に集中して作図している時にありがちなのが、上書き保存を朝から全くしていないとう状態です。
その状態でエラーによる強制終了が発生すると、図面データが朝9時の状態に戻ってしまうことになります。
上書き保存の手間ってほんの一瞬なんですけど、忘れた時のダメージが計り知れない場合があるんです。
自動保存の話をする為に、ちょっと大げさに書いているんじゃないか、と思われるかも知れませんが、私はこういう状況を何度も味わってます。
全然自慢にはなりません、というか、一度の失敗で学習していない時点で恥ずかしい話なんですけど、こういうのって忘れた頃にくるんですよね。
で、午前中に集中して作図を進めた部分が、もう全く元に戻ってしまい、今日の朝9時のデータしか存在しない。
そんな、もうどうしようもない状態だという事を把握した瞬間に、すぐ作図のやり直しに取り掛かることが出来るでしょうか。
これはなかなか難しい事だと思います。
■2回目は早いけど……
理屈的はすぐに作図をやり直すしかない訳だし、同じような作図をする際には2回目の方が早くなることも知っています。
でも理屈で分かっていることと、感情はやっぱり別のモノなんですよね。
私の場合だったら、やっぱり精神的にそれ程タフじゃないので、時間的な余裕があればその日は別の仕事をすると思います。
今日はもうやめた、という感じで。
時間的な余裕がない場合には、とりあえず30分くらい何とかならないか足掻いた後で、渋々作図のやり直しにかかるでしょう。
精神的には後ろ向きな状態になっているので、仕事の効率としてはあまりよい状態とは言えないと思います。
ここで何が言いたいのかというと……
エラーでデータが4時間前に戻ったとしても、同じ4時間で元の状態に戻ることは結構難しいということです。
人の心はそこまで機械的じゃなく、落ち込んだりイヤになったりすることもある訳で、CADが原因でそういう状態になるのはちょっと勿体ないです。
だからこそ、オートキャド(AutoCAD)側で用意してくれている、自動保存機能などを使って、出来る限りデータを守る必要があるんです。