作業効率をよく考える

前回はオートキャド(AutoCAD)の機能、ダブルクリック編集機能についての簡単な説明をしました。

キーボードやマウスなどでコマンドを実行する手順を省くことが出来る為、スムーズな操作が可能。

そんなダブルクリック機能を最大限に活用する為には、ある程度自分で設定を考えておく必要があります。

もちろん結果的にはオートキャド(AutoCAD)が用意している初期設定が最も使いやすいということもあるとは思います。

しかしそうなる前には、ユーザー側でどんな設定が便利なのか、一通りの設定を確認しておいた方が良いです。

これからずっと使う設定だから、最初に多少時間をかけて確認をしたとしても、時間的には充分にペイ出来るはずですから。

それよりも、とにかくオートキャド(AutoCAD)を操作することに目がいってしまい、便利に使うことを意識しない方が結果的には非効率的です。

このあたりの話は、ビジネス書などを読むと時々出てくる、木こりと斧の例え話に似ているかも知れません。

ちょっと話はオートキャド(AutoCAD)の操作から脱線しますけど、少しだけそんな木こりの話をしてみます。


■木こりと斧の例え

昔あるところに1件の山小屋があって、そこには背の高い木こりと背の低い木こりの2人が住んでいました。

どちらの木こりも毎日山に入っては木を切り倒して、それでお金を稼いで生活をしていました。

しかし背の高い木こりが切り倒す木の本数は、どうしても背の低い木こりが倒す本数に及びません。

成果が違うので当たり前ですが、背の低い木こりの方がより多くの報酬を受け取ることになります。

自分の方が背が高くて力も強いのに、なぜ背の低い木こりに勝てないのか、背の高い木こりは納得がいきません。

そこで背の高い木こりは色々と考えて、出来るだけたくさんの木を倒せるように、作業の時間を増やすことを考えました。

背の高い木こりは朝早くから森に入り、暗くなって帰るのに苦労する時間まで木を倒す作業をすることにしました。

しかしそれでも成果はなかなか上がらず、背の低い木こりに勝つことは出来ませんでした。

背の高い木こりは疲れ果ててしまい、使っている斧の刃もボロボロの状態。

そんな状態を見かねた背の低い木こりは、疲れ切った状態で森から帰った背の高い木こりにこう言います。

あなたはどうして斧の刃を研がないのか。

斧の刃がボロボロの状態で作業を長時間続けても効率が悪く、結局1日に倒せる木の本数はそれほど多くはならない。

その効率の悪さを背の低い木こりは指摘したのですが、背の高い木こりは疲れた顔でこう答えます。

毎日木を倒す作業に忙しくて、とてもじゃないが斧の刃を研ぐ時間などとることは出来ない、と。

■長い目でどちらが有利か

まあちょっとありがちな話だし、思い出しながら書いているので、話のディテールは少し適当かも知れませんけど。

毎日少しの時間を掛けてでも、斧の刃を研いだ方が作業の効率は良くなって、結局仕事は早く終わることになる。

そんな教訓を持った話だったと記憶しています。

これをオートキャド(AutoCAD)のスキルに当てはめてみると、まあ話としてはシンプルですね。

オートキャド(AutoCAD)の操作に毎日目一杯で、便利な使い方を考える余裕が取れない状態と。

最初に少しだけ時間を掛けてでも、出来るだけ効率が良いやり方をする目的で、色々と設定をいじること。

これのどちらが、最終的には短い時間で図面を描き終えることが出来るのか、というのは非常に興味深い話です。

そんな訳で、ダブルクリック編集をどんな設定にするのかについては、次回に改めて説明をしたいと思います。