オートキャド(AutoCAD)は非常に便利なツールですが、コンピュータ内で様々な処理をする以上、電源がどうしても必要です。
どんなに大規模で複雑な図面でもきちんと処理できるのがCADの良いところですが、電源が供給されないとどうしようもありません。
コンセントが抜けてしまえばパソコンはただの重たい箱になってしまい、CADの画面もすぐに消えてしまいます。
停電や間違ってコンセントを抜いてしまったなどのアクシデントからデータを保護する為に、自動保存という機能を紹介してきました。
自動保存は滅多に役立つ機能じゃないし、出来ればずっと役に立たない方が良いというような位置づけの機能です。
でも、怪我とか入院をした時の保険と同じように、いざという時に非常に役に立ってくれる存在でもあります。
今回はそんな自動保存機能で作成されたデータを、実際に復元するにはどうすればいいか、という説明をします。
■自動保存データの保管場所
自動保存機能はオートキャド(AutoCAD)が自動的に処理する為、毎回こちらで保存先を決めることが出来ません。
なのでいざ自動保存のデータを使いたい場面になった際に、どこにデータがあるのかが分からずに困る可能性があります。
停電などのアクシデントによって作図中のデータが消えてしまったような場合では、なおさら慌てることになるでしょう。
そうならない為にも、まずは自分で自動保存されるフォルダを把握しておく必要がある、ということで…
自動保存ファイルが保管される場所を確認するために、前回自動保存の設定をした時と同じ手順で、もう一回オプション画面を開きましょう。
今回は一番左にある「ファイル」というタブを選択します。
そうすると、真ん中の少し下くらいに「自動保存ファイルの場所」という項目があるので左にある「+」をクリックすると…
恐らく初期設定では、自分がログインしているユーザー名のフォルダの後に色々な名前のフォルダが記入されているはずです。
画像を取ると私のユーザー名が出てしまうので見せられませんが、だいたいこんな感じのフォルダになっているはずです。
C:\Users\(ここにユーザー名)\appdata\local\temp\
このフォルダの場所を覚えておけば、いざ自動保存のファイルを使いたくなった時に困ることはありません。
ただしこのフォルダは「隠しフォルダ」になっていて、通常状態では見ることが出来ない、というのが少々ややこしいです。
なので、自動保存ファイルを使いたくなった場合には、以下のどちらかの操作が必要になります。
■自動保存ファイルの場所を変更する
この場合は「自動保存ファイルの場所」に表示されている上記のフォルダを選択して、右側にある「参照」をクリックすれば、保存先のフォルダを変更することが出来ます。
試しに保存先をDドライブの直下に変更してみると、こんな感じに設定表示は変更されます。
こうして保存先を変えるのは簡単ですが、何しろいざという時以外はほとんど使うことがないデータです。
その為、わざわざ表示される場所に保存先を変更するのが良いかどうか、というのは正直疑問で、もう少しシンプルなやり方もあります。
ということで、もう一方のやり方については次回に続きます。